蝶の館
喜界島、沖縄諸島、台湾、東南アジアなどに分布する、日本の蝶では最大級のオオゴマダラを飼育展示しています。
多肉植物やシラタマモクレン、アサヒカズラ、ホザキノトケイソウ、サガリバナなどの花も見られます。
黄金色に輝くオオゴマダラの蛹は必見です。(時期によっては見られない場合もございます。)
オオゴマダラについて
前翅長 | 約75mm |
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分布 | 喜界島、沖縄諸島、台湾、東南アジア |
食草 | ホウライカガミ |
※日本の蝶では最大級である。
卵 | 約5日間 |
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幼虫 | 約20日間(1齢~5齢まで) |
蛹 | 約14日間 |
成虫 | 約2~3ヶ月(冬季はやや長い) |
①卵
食草(ホウライカガミ)の裏に1個ずつ産み付ける。
高さ:約1.5mm 幅:約1.2mm
②幼虫
ホウライカガミの葉を食べて成長する。
脱皮を4回繰り返し、5齢幼虫になる。
③蛹
光沢のある美しい金色になる。
蛹期間:約2週間
④成虫
蛹の殻が裂け出現する。半日かけて羽を乾かす。
寿命:約2~3ヶ月
蝶になるまで
ステップ1 ~卵~
- 蝶の館で生まれた卵達。4~5日で卵からかえります。ここでは、卵を産んでいるか、また、アリやクモなどに食べられていないか気を配ります。卵は他の虫達にとって好都合な食料なのでとても注意が必要となります!!
- 生まれたての幼虫や卵は、とにかく捕食される危険性が高く、このままでは、アリやクモに食べられてしまう可能性があります。そこで、フラワーパークの養生ハウスにおいて管理をします。 養生ハウスの中にオオゴマダラ専用の小屋があります。蛹(さなぎ)になるまでココで成長します。
- オオゴマダラはホウライカガミなど限られた植物しか食べません。したがって、通常はこれらの植物が自生している場所でないと生育できません。つまり、オオゴマダラを飼育するには、ホウライカガミを確保しなければいけません。最終齢幼虫になると、1日に大きな葉を4~5枚食べます。
- 小屋の中には、生まれたての幼虫から蛹(さなぎ)になる寸前の幼虫まで様々な大きさの幼虫が生活しています。 フンをそのまま放置していると病気の原因になってしまいます。小屋の中は常に綺麗にするよう心がけます。また、掃除をする時は、誤って踏んでしまわないよう注意が必要です。4回の脱皮を繰り返し最終齢の幼虫へと成長します。
- たくさん葉を食べた幼虫たちは、20日ほどの幼虫期間を終えて蛹になる準備をします。これを前蛹(ぜんよう)といいます。 最終齢の幼虫は口から糸を出し逆さまにぶら下がり約1日静かに蛹(さなぎ)になる準備をします。この時、体の中の黄色い部分が透けて見えてきます。脱皮時間はおよそ2~3分程度でここで力を使い果たし死んでしまう幼虫もいます。とても、緊張する瞬間です。
- 無事、蛹(さなぎ)になったオオゴマダラたちに待ち受ける災難は、自分達が下がっている葉を他の幼虫たちに食べられて落ちてしまう事です。 蛹(さなぎ)が他の幼虫たちに落とされない様、見つけ次第回収を行います。落ちてしまった蛹(さなぎ)は衝撃で羽が変形し飛べなくなる場合があります。回収された蛹(さなぎ)はひとつずつ糸で結んでこの蝶の館へ移動します。
- 蝶の館で生まれた卵たちがようやく蛹(さなぎ)になって館へかえります。2週間程度で羽化(うか)します。 糸で結ばれた蛹たちは、ひとつずつ吊るされていきます。蛹は命一杯の力を振り絞り黄金の殻からでます。羽化(うか)する時間は3~4分程度でこれ以上の時間がかかると体が乾燥した殻にくっついて出ることができず、命を落としてしまいます。こうした困難を乗り越えたものだけが成虫になることができます。
- 蝶の館で生まれた命がまた新しい命を残してくれます。 幼虫期を終えて蛹(さなぎ)・蝶になる頃には限られた数だけになります。こうして、蝶の館にはオオゴマダラが飛び交い1年を通してご覧いただけるようになっています。